近年思う時がある。
「憧れ」ってなんだったんだろうと。
私は憧れていたものを、結構手にして来たんだとは思う。
手にしたというより、そこに手が届いて、みた。見た。
憧れを抱くことは、良い事だと思う。
それは、なんというか、暮らしの中でキラっと光る。
その輝きに惹かれて、進んでいく。進んでしまう。
そして、手が届いた時に、とても嬉しく、楽しい。
でも、それが憧れでなくなって、現実になった時に、輝きが薄らぐ。
憧れた世界は、自分にとって本当に欲しいものだったのか、心地の良い場所なのか流されながらも、楽しみながらも考え始める。
憧れた人の内側を垣間見る。葛藤や苦労も垣間見る。薄っぺらかったりずるいなぁと感じる人とかもいたりする。
現実を知ると、憧れは、憧れでなくなる。
私こそ、夢や憧れに引っ張られて、追っかけて生きてきた事は否めない。だけど、近年は「憧れ」ってなんだったんだろうと。
知らない、から、憧れる事が出来るのかもしれないとも思う。
「憧れ」がなくなる。というのが、いい事なのか、よくないというか残念なのか。生きている年数が長くなって来て、いろいろな経験をしてくると、「知る」現実が増えるのだと思う。
憧れや夢を追って生きた年月が馬鹿らしいかと言うと、全く違う。
憧れや夢が起こすエネルギーで動き、色々な事を経験する。その経験は私の中の宝だと思う。
若い人が、私みたいに「憧れってなんだったんだろう」と、現実を考えるのはもったいない。それは、頭で考えているだけで、経験が無いので、薄っぺらい。
若い時分には、夢や憧れを持てた方がいいし、そこから発されるエネルギーで行動し、色々な事を経験できた方がいい。その方がきっと豊かな人生を積み上げられると思う。
だけど、歳をとって来ると、見える形式はこんなに変わるんだなと。
「憧れ」よりも、自分の身の丈や自分らしさ、自分にとっての心地よさを追求するようになった気がする。
人生の中のステージが変わって行く。