キューバ便り20ソウルフード

Captain Seina

featured
キューバのある家庭を何度も訪ねた。
その家庭は貧しくて、便座は勿論ないし、親子3代、3人が暮らすその家には、シングルベッドがひとつ。
壊れかけのテーブル。
壊れたラジカセ。
小さな旧式のテレビ。
冷蔵庫は扉が壊れていて、扉に留め具がついてる。

その家に、2度目に行った時、私に何かできる事が無いか、たずねた。

「私達はこれで暮らせてるし、大丈夫。
困る事と言えば、時々水を吸い上げるポンプが壊れてしまったり。
このラジカセも、いつも私が修理しているから大丈夫。
私達は助け合って生きてるから大丈夫よ。
それがキューバなの。」

その家の19歳の娘が答えた。

その日、彼女は「ショウコ、ご飯を食べて行く?」と私に聞いた。

「あ。。。うん。ありがとう。。。いいの?」

お父さんが、「ショーコ、ご飯を食べていけ」と。

72歳のお父さんがとても嬉しそうにご飯を作り始めた。

テーブルに2人分の食事が並んだ。
チキンだった。

お父さんは、食べなかった。
キューバでチキンは決して安いモノではない。

お父さんが笑顔で
「ショーコ、キューバ料理は好きか?」と、私に聞いた。

キューバには調味料もそれ程なく、食材もあまりない。
私たち日本人の食のバラエティや味を考えると、キューバの料理は決して美味しいとは言えない。

私は
「うん。大好き」と答えた。
そして、泣いた。

私はパパの、「心」を頂いた。

パパの、優しさと、真心と、誇りを食べた。

私はその時から、キューバ料理が本当に好きになった。

それから、何度もパパに会った。


=====

今回の旅で、一番、深く心に入り、消化に苦しんだのは、このパパとの出会いでした。

パパの事をもっと書きたいんだけど、まだ消化できてないし、まだ書けないんだ。

この私の友人のパパは、貧しいけど、私の心に沢山のものをくれた。
お金では買えなくて、お金があっても買えないものを。

私はキューバ料理が大好きです。

キューバの人が貧しい中で、私に食べさせてくれたキューバ料理は私の魂に深く届きました。

今週末は、父の日だね。